境界とは?
6月 17th 2010 Posted at
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「境界」とは
境界とは、隣接する土地同士を人為的に「区画」し、お互いの土地を識別するためのものです。
土地は自然的には広大に広がりを持つもので、何らかの「区切り線」を人為的に設けないないと何かと不便です。例えば、土地の売買、交換、譲渡及び租税徴収のためなどに支障をきたすことが考えられます。「境界」を「けいかい」と読んだり、「経界」と書いたりしますが、読み方や書き方が異なっていても意味はいずれも同じ「境界(きょうかい)」です。
「境界」の種類
典型的な「境界」の種類は、一つ目に「公法上の境界」、二つ目に「私法上の境界」があります。
公法上の境界とは
公法上の境界とは、「筆界(ひっかい、ひつかい、ふでかい)」と呼ばれています。これは、過去の歴史的事実や沿革により、国家により設けられたものです。したがって、筆界を隣接する土地の当事者同士で変更や移動をすることは許されません。
私法上の境界とは
隣接する土地の当事者間で自由に決めることができます(私的自治の原則、契約自由)。典型例は、「所有権界」つまり所有権の及ぶ範囲の限界とか所有権の及ぶ外縁とかいわれます。また、その他に借地の及ぶ範囲を示す「借地権界」、地役権の及ぶ範囲を示す「地役権界」、ある建物の敷地を示す「建物敷地境界」、道路管理上の「管理境界」などが挙げられます。
「筆界」と「所有権界」
上記で述べた通り、境界とは2つの意味があり、公法上の境界である「筆界」と、私法上の境界であるいわゆる「所有権界」です。この二つ境界は通常一致しているものです。そして、この二つの境界は全く異なるものですのでご注意ください。
私たち土地家屋調査士は、あくまでも「筆界」を確定させることが仕事です。
その「筆界」を確定するためには、長年の土地の利用方法や世代関係によっての意見の違いはあくまでも参考でしかなく、法務局の地図等(公図、地積測量図)、過去の境界立会記録等さまざまな資料を調査し総合的に判断します。