世界測地系座標の重要性とは?
2010年10月28日 カテゴリー:田中健吾のブログ 0 Comments
土地家屋調査士として、境界標を測量し、その位置を座標化し、土地の形状を図面にあらわしたり、土地の面積を求めたり、
境界標の位置を測量した結果を座標化することは大変便利な意味があります。
一般的に境界測量とは、「座標値が分かる基準」から、それぞれの境界標の角度と距離を測量し三角関数を用いて座標値を計算します。
「座標値が分かる基準」とは基準点のことで、その座標値はどんな数字でも、その基準点から測量した角度と距離さえ分かれば、土地の形状も面積も問題なく算出することはできます。
しかし、土地の形状や面積だけを算出するだけのために、基準点にどんな数字でも設定し、測量することには重大な欠点があります。
それは、その基準点が何らかの原因によって無くなれば、その基準点から測量した境界点は復元することはできません。
仮に、境界点が残っていれば、その境界点から他の境界点は復元可能ですが、基準点も境界点も無くなってしまった場合ははっきり言って復元不可能です。
高い費用をかけて測量しても、長い年月には何があるか分かりません。基準点も境界点も無くなってしまうことだって十分に考えられます。
それでは、基準点も境界点も無くなってしまっても、その点を復元することを可能にするための方法として、
「世界測地系座標」というものがあります。
世界測地系座標とは、簡単に言うと、基準点を「地球上のどの位置」にあるのかを測量・調査しておきます。その地球上の位置(座標)がわかる基準点から測量した点は当然、地球上のどの位置(座標)にあるのか分かりますので、
基準点も境界点もすべて無くなってしまっても、地球上のどの位置(座標)がわかっている以上は、ずっと長い将来まで問題なく復元可能です。
近年は異常気象続きで、平成18年の諏訪地域を襲った豪雨災害等また、東海地震の心配は人命の危機ばかりでなく、土地全体が流されるなどの不動産の危機でもあります。
当事務所の測量は世界測地系座標の使用を徹底し、測量した境界点の復元性を保つことが重要と考えます。
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